自信のない税理士は、多めに申告してしまう
相続税に詳しい税理士とそうでない税理士で、同じ案件なのに相続税が10億円になったり、3億円になったりと、極端な差が出てしまうケースもあります。
自信のない税理士ほど、税金を高めに申告する傾向があるようです。少なく申告してしまうと税務調査で明らかになりますが、多く申告しても分かるのは税務署だけだからです。税務署の方では、多く納めても、多いですよとは言ってきません。これは多すぎたから返してくださいと還付申告をして、初めて返ってきます。
税務調査以外に、税理士の能力がチェックされる機会は通常はありません。だから路線価と面積だけで計算し、よけいなことはしないでおこうという気になるのです。
「うちは税務調査があったけれども税務署からは何も文句を言ってなかった。いい先生でよかった」と言う地主さんがいますが、そうとは限りません。むしろ節税できるところはぎりぎりまで申告した場合の方が、税務署も内容を確認するために詳しく調べます。時には税務署との交渉も必要になります。そこまでできるのは、自分の判断に自信のある税理士に限られます。
8億円で申告したけれども税務署との交渉の結果8億5000万円になったというぐらいが、本当の意味でのプロの申告といえます。評価が多少税務署と違って交渉になるぐらいが、いわば税務署と同レベルのプロといえます。
しかし納税する側はそこまで分かりませんから、「あの先生に頼んだらトラブルになってしまった」と見てしまうかもしれません。そうならないように、多めに安全に申告する税理士が少なくないのが現実です。
もちろん申告に自信がある税理士であっても、こういう申告をしたから今税務署とこういう交渉になっているということは、きちんと地主さんに説明する必要があります。申告する前に「ここは広大地だから2億円の土地の評価が1億円になるはずだけど、税務署の判断によってはそこまで安くならないかもしれません」とあらかじめ説明してくれる税理士さんなら安心です。もちろん、2億円と言っていたのが税務署のチェック8億円になってしまったら、それは税理士に問題があった場合です。でもしっかりした人に頼めば、そんなことにはならないはずです。
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